クリスマス・プレゼント/ジェフリー・ディーヴァー
- 作者: ジェフリーディーヴァー,Jeffery Deaver,池田真紀子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: 文庫
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全編非常にスタイリッシュで読みやすく、決めるべきところは決めてくれる。580ページに16編であり、一作当たりの枚数は少ないが、必要に応じて情感面でも万全の体制を敷く。各編、キャラが綺麗に立っています。そしてこれが一番重要なのだが、帯の「どんでん返し16連発」という看板が、まったく偽りではない! 心の底から驚愕できるかは別として*1、非常によく考えられていて切れ味も鋭いのであった。全編粒よりであり、一番つまらないのが、リンカーン・ライムものとして決して不出来ではない表題作である辺り、この短編集の驚異的水準を物語っている。最近は異色作家系の短編集がミステリ界を席巻していたわけだが、久々に登場した、より正統派の傑作ミステリ短編集といえよう。超お薦め。
というわけで、ディーヴァー・ファンや短編ミステリ・ファンなら死んでも読めレベル。その他にも広くお薦め。読みやすいので、海外アレルギーがある方々にもいいんじゃないでしょうか。しつこいようだが傑作。傑作ですよ!
……ただし解説は先に読んじゃ駄目だと思います。ネタこそ割っていないが、予想がつきかねないことを、作品を特定して書いている。というか、方向性を明言してしまっている。これだけが残念。
*1:できないと言っているわけではない。