不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

電人M/江戸川乱歩

江戸川乱歩全集 第22巻 ぺてん師と空気男 (光文社文庫)

江戸川乱歩全集 第22巻 ぺてん師と空気男 (光文社文庫)

 ある博士の大発明(でも秘密)を狙う電人Mと、少年探偵団の対決。このメインプロット故に、作品は間延びしていない。油断すると乱歩はすぐにグズグズとなるし、少年ものはドギツイことはできないので絵面のインパクトにも欠けてしまう。そのような弱点を抱える少年探偵団シリーズにとって、怪人=二十面相の目的を一本化させることは有効な対処法かもしれない。なお今回は、二十面相の手口にも新機軸が見られて面白かった。
 まあ件の大発明は糞つまらなかったですけど……。