偶然のラビリンス/デイヴィッド・アンブローズ
- 作者: デイヴィッドアンブローズ,David Ambrose,鎌田三平
- 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
- 発売日: 2005/09
- メディア: 文庫
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そして不思議な熱気を帯びるまま、ある人物の登場をもって物語は遂に動き出す。その後は当然ながら『奇偶』とは全く異なる様相を呈すが、《奇書感覚》は終始一貫維持されており、かなりトンでもな展開さえ見せる。先述のように、筆致の謹厳さが作品に独特な味わいをもたらしており、(笑)で済ませられない確かな内実を感じさせるのである。
構成要素のまとまり具合も『迷宮の暗殺者』を越えている。同月に『奇偶』もノベルス落ちしたことだし、偶然をテーマとした奇書東西対決と洒落込むのも面白いかも。