フェスティヴァル・ソロイスツ with レイフ・オヴェ・アンスネス
アンスネスは、落ち着いた美しい演奏を披露。一方で弦楽パートは結構情熱的な演奏を展開しており、若干の齟齬を感じた。別にお互い弾きにくそうにはしていなかったので、アンスネスの安定したピアノを安定基盤として、弦楽パートが情動面で威勢を振るったという感じですかね。
というわけで、モーツァルトでは、弦楽勢の情熱的な素振りが曲趣に合っていない気がしてならず。いや別にダメな演奏だったと言うつもりはないのだが……。続くドホナーニでは、曲に相応しい粘着気質が、終始一貫して保たれて好印象。五楽章の曲なのに第三楽章が終わったところでフライング拍手する人は、私にはよく理解できません。マイナーな曲だから知らないのは無理もないが、だったら自分が真っ先に拍手しようとするなよ……。
そして後半のシューマンは本当に素晴らしかった。明暗、どちらで攻めても素晴らしい景色を見ることができる。いや本当、ええ曲やなあ……。