不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

GOSICKⅣ/桜庭一樹

 四作目にして事件は遂に学園で起きる。ヴィクトリカとアブリルの絡みが遂に登場、定石どおりの三角関係が展開されるのは、今まで出そうで出なかっただけに感無量。*1
 とはいえ、事件内容そのものは左程面白くない。というか、話の焦点が《セカイ系への発展の予感》に合わされるため、隔靴掻痒感ばかり先走り、単体としてはじっくり楽しめない……。少年少女の「らしい」言動を活写する作者は、素直にうまいと思う。

*1:もう洗脳されている。