不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

シュレスヴィヒ・ホルシュタイン祝祭管弦楽団

  1. ブラームスハイドンの主題による変奏曲Op.56a
  2. メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
  3. (アンコール)クライスラーレチタティーヴォスケルツォ
  4. ブラームス交響曲第4番ホ短調Op.98
  5. (アンコール)ブラームスハンガリー舞曲第5番(シュペリング編。多分)
  6. (アンコール)スメタナ:歌劇《売られた花嫁》より《道化師の踊り》

 教育を兼ねた音楽祭管弦楽団らしい、荒いけれどもやる気満々なオーケストラの音色を堪能。と言ってもブラームス主体のプログラムなので、総天然色のサウンド・パノラマを広げるわけにも行かず、代わりに分厚くて腹にこたえる音を使って、熱のこもった演奏を聴かせてくれた。疵は色々あったが破綻とは遠かったし、テンションも終始高く、皆様自信をもって弾きこなしていた感じなんで、これはこれでいいんじゃないでしょうか。*1
 エッシェンバッハの指揮も今日は曲に適合しており、細部で色々仕掛けては来るのだが、全体的には変な印象は残らず、骨太な演奏を披露。特に交響曲の、怒りと憎悪と怨念爆裂という感じのフィナーレが素晴らしかった。スキンヘッド・詰襟・黒づくめの男が深刻な表情を見せながら振っているビジュアルイメージも強烈。しかもこの男がリアル《ライフ・イズ・ビューティフル》だという要らん知識とか持ってるから、もうもう。
 エリック・シューマンのヴァイオリン・ソロも素晴らしかった。こちらも若干の疵はあったが、ルバート等々を見事に使いこなし、メンデルスゾーンをロマンティックに演出。4月に聴いた庄司沙矢香よりも数段楽しめたことを告白しておきたい。CDで繰り返し聴くならともかく、実演だったらこれ位やってくれた方が……。

 なお、本日で04/05シーズンのコンサート行脚は終了。次シーズン行脚開始は今月末日となります。

*1:R☆Sスターオーケストラの演奏は、まさにこういうのなんじゃないかと思います。もちろんこれは、妄想=個人的思い込み=電波ですがね。