神様ゲーム／麻耶雄嵩

神様ゲーム (ミステリーランド)

　麻耶雄嵩が心温まる話など書くわけがないことは織り込み済みだったが、それにしてもこれは凄い話だ。夢や希望がひとかけらもない現実を、《神様》は主人公に淡々と突き付ける。その残酷さは、麻耶の他の作品と比べても抜きん出ている。例によって解釈の余地を残しての終結、嫌らしい小道具の数々といった辺りも従来どおり印象深さを見せており、全編これ麻耶雄嵩のテイスト。ファンならば必読といえるだろう。