読売日本交響楽団
スクリャービンは照明演出付き。ピアノが音出してようが出してまいが関係なくバコバコ光の色や明滅を変えていたんで、作曲者の色光ピアノという指示に「想を得て」色々遊んだものと思しい。なかなか楽しかった。
音楽的には、全曲カラッとした仕上がり。オケも弾きやすそう。これらの曲を爽快に聴けたのは割と得難いかもしれない。井上道義の面目躍如といったところですかね。フルパワーでオケが炸裂する瞬間はついぞ訪れなかったが、常にサウンドの見通しも良かったし、まあこんなもんでしょう。一番面白かったのは《広島の犠牲者に捧げる哀歌》だったかな。色々な音が聴き取れて嬉しかった。やはりトーンクラスターは実演に限ります。指揮者は明らかにオーバーアクションだったが、鳴っている音自体は良いという感じの演奏会でした。