読売日本交響楽団
- エド・デ・ワールト(指揮)
日曜日に引き続き、変な癖のないまっすぐなワーグナーであった。オーケストラも非常によく鳴っており、迫力がある。一方でジークフリート牧歌で顕著なように、メロディーもよく歌い込まれ、解釈上は突っ込みどころがない。ただし、金管や木管に、一部ひ弱なところが見られ、もっと上質のオケであったらなあと思わないでもなかった。特にホルン。ジークフリートの動機が台無しでありました。いやまあホルンだからこっちも覚悟はしてるんだが。
興味深かったのは、3月のアルブレヒトの時を越えるテンションが感じられた点。オケがノリノリだったのである。これは読売日本交響楽団がワールトを余程気に入ったのか、アルブレヒトをもう見切っているのか、検討を要する事項である。もっとも、ワールトは流麗な演奏を志向するので、アルブレヒトと全く同じタイプというわけではない。いずれにせよ、在京オケへの再登場を期待する。