不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

読売日本交響楽団

  1. ワーグナー:《さまよえるオランダ人》序曲(第1版)
  2. ワーグナージークフリート牧歌
  3. ワーグナー:楽劇《ニーベルングの指環》オーケストラル・アドヴェンチャー
  • エド・デ・ワールト(指揮)

 日曜日に引き続き、変な癖のないまっすぐなワーグナーであった。オーケストラも非常によく鳴っており、迫力がある。一方でジークフリート牧歌で顕著なように、メロディーもよく歌い込まれ、解釈上は突っ込みどころがない。ただし、金管木管に、一部ひ弱なところが見られ、もっと上質のオケであったらなあと思わないでもなかった。特にホルン。ジークフリートの動機が台無しでありました。いやまあホルンだからこっちも覚悟はしてるんだが。
 興味深かったのは、3月のアルブレヒトの時を越えるテンションが感じられた点。オケがノリノリだったのである。これは読売日本交響楽団がワールトを余程気に入ったのか、アルブレヒトをもう見切っているのか、検討を要する事項である。もっとも、ワールトは流麗な演奏を志向するので、アルブレヒトと全く同じタイプというわけではない。いずれにせよ、在京オケへの再登場を期待する。