読売日本交響楽団
常に節度が保たれ、絶対に踏み外すことのない演奏。今日はそれに尽きる。派手なことは絶対にしないが晦渋に過ぎる瞬間もない。魅惑的なメロディーの場面は、いつの間にかテンポが落ちてしっとりと歌われるが、これまたあられもない強調には堕ちない。オーケストラの各パートの分離も良く、とにかくサウンドの見通しが良い。もう少し羽目を外してくれてもいいかな、という感慨を抱く箇所が随所に出て来るタイプの演奏だったが、ハイレベルであったことは否定できない。この指揮者がもっと良いオーケストラを振ってくれたら、この不満もなくなるのだろうと思ったけれど、完成度が高く、気品も感じられたので概ね満足。
でもやっぱ曲が……。ヴァイオリン協奏曲は若書きで個性とか全然確立されておらず、なんか滅茶苦茶普通なロマン派協奏曲。正直これだったら他の曲聴きます。ラフマニノフの交響曲第3番は、恥を忍んで打ち明けるが、未だにどこが良いのかさっぱりわかりません。そんな感じ。半可通ですいません。