NHK交響楽団
- R.シュトラウス:歌劇《カプリッチョ》Op.85より《月光の音楽》
- R.シュトラウス:歌劇《インテルメッツォ》Op.72より4つの交響的間奏曲
- シェック:ホルン協奏曲Op.65
- ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲Op.56a
- 松崎裕(ホルン)
- ジャナンドレア・ノセダ(指揮)
アシュケナージをボロクソに言った手前、今更こんな事に気付き、かつ言うのは気が引けるのだが……。
やっぱNHKホール駄目。客席までまともに音が飛んでこない。音像はあまりに遠く、硬く、薄い。これでは何も判断できない。音楽を生で聴く上で重要なものが全て抜け落ちてしまう。いやもちろん、以上のことはこれまでもわかっていたのだが、ふと、このホールでは《普通の演奏》が《許しがたいゴミ》に化ける可能性が否定できないことに、今日思い至ったのである。
今日の演奏会は全般に、面白い曲ぞろいだったと思う。特に初対面のシェックは面白く、暗くて地味だがどこか狂っている感じが楽しそう。演奏も、聞こえてくる範囲内では色々やっていそうだった。しかしNHKホールでは……。私の耳に届いた音楽は、R.シュトラウスは今一で、シェックでの松崎は平坂、ブラームスは盛り上がったが、いずれも繊細にして致命的な要素がNHKホールのどこかに消えてしまったのではないかという疑念、もどかしさが募った。これでは、ノセダが良いのか悪いのかも、判断できるわけがないのだ。
上原彩子やアシュケナージについても、前言をいったん取り消そうと思う。彼らの演奏を判断するには、より良いホールで再会することが必要と思われる。その時まで、一切を白紙に戻したい。
そして勿論、今後は余程のことがない限りNHKホールには足を運ばないよう決心。NHKホールでのN響定期会員になるなどもっての外。というわけで、シーズン会員はキャンセルしました。