不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

オーケストラ・リベラ・クラシカ

  1. ハイドン交響曲第22番変ホ長調《哲学者》
  2. ボッケリーニ:チェロ協奏曲ト長調G.480
  3. (アンコール)ボッケリーニ:チェロ協奏曲変ロ長調(作品番号わからん……)より第三楽章
  4. ハイドン交響曲第64番イ長調《時の移ろい》
  5. (アンコール)ハイドン交響曲第23番ト長調よりフィナーレ

 小粋な演奏会であり、古典派の味わいを堪能した。オリジナル楽器の軽めの音色を駆使し、全ての曲が爽やかなテンポで進められ、大変心地よく聴けた。メンバーも自発性を持ってアンサンブルに参加しており、第22番ではちょっと硬いかなと思ったが、コンサートが進むにつれノッてきたので嬉しかった。一番音に張りが合ったのは、ラストのアンコールでしたな。まあ、さすがに去年のベルリンやドレスデンの連中と比べると不利だが、不足は感じられなったので、今日はこれで十分。
 というわけで、交響曲も楽しく聴けたが、特に素晴らしかったのはやはり協奏曲。鈴木秀美のチェロは、カデンツァで若干の瑕があったとはいえ、やはり元気で、軽やかで、良かった。
 総じて、ほんわかと幸福な気分に浸れた良い演奏会であった。そして、その幸福感の一方で、実際の私生活が孤独であることに半ば強制的に気付かされ(だって隣に誰もいない。こんなに幸福になのに、それは私の中で行き場を失い、会場を一歩出れば消滅する)、落差で鬱になってしまった。この手のコンサートはデートコースに組み込めば楽しそう、なんて要らんことも(しかも何と幼稚な発想であることか!)浮かんでしまい、俺もう駄目。