東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
- 飯守泰次郎(指揮)
出だしの一音から充実した演奏となった。特に目新しいこともせず、正攻法で交響曲に挑んだ演奏であり、テンポも常套的だったが、リズムの重心が低くて(鈍いとか溜めがあるとも言う)聴いていて心地良い。オケも非常に弾きやすそうで、やる気がよく引き出されていたと思う。渋い音色で曲を丹念に弾き込んでいる印象で、かといって熱気もかなり強く、非常に楽しめた。トチリも少なく、盛り上げもなかなかで、《ザ・グレート》の後半ニ楽章は本日の白眉となった。気を緩めると「ドイツ的」なる電波発言をしでかしそうになる、重厚な後味が残され、ちょっと感動してしまったことを告白しておきたい。
ただ、客層は悪かったですが……。思うに、首都圏においても私鉄沿線は駄目かもしれない。買い物ついでに来られるのも、度が過ぎれば問題だ。ガキとかやめてくれ……。