読売日本交響楽団
- ショパン:夜想曲第10番変イ長調Op.32-2(ストラヴィンスキー編)
- ショパン:ワルツ第1番変ホ長調Op.18《華麗なる大円舞曲》(ストラヴィンスキー編)
- グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調Op.16
- チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調Op.74《悲愴》
- 犬飼新之介(ピアノ)
- アレクサンドル・ラザレフ(指揮)
ストラヴィンスキーが編曲したショパンの曲は初めて聴いたが、さほど面白いとは思えず。後のストラヴィンスキーを予感させるでもなく、少々退屈した。原曲は嫌いじゃないんだけどね……(最近はショパンも好きになってきたのです)。
グリーグは、犬飼のピアノが一本調子。音色がそれなりに綺麗なので聴けないわけではない。しかしこの曲をどう持って行きたいのかさっぱりわからん。学生が出て来て教えられた通り弾いている気がして仕方なく(実際学生だが)、表現上の隈取は、かなりの部分オケの伴奏に頼り、ピアノは極端に言えば音を出しているだけ。どうかと思う。演奏会に場慣れしていないのも間違いなく、出をラザレフが大きな身振りで一々示し、犬飼もそれを必死で見ているのは、ちょっと格好が付かない。ステージマナーも非常にぎこちない。元々そういうキャラならいいんだが、単にガチガチなだけと見えた。客席にだけお辞儀し、オケや指揮者にまともに挨拶していないのは、大変失礼だと思われ、見ていてハラハラする。総合的に見て、プロと称すのはいささか早いのではないか。そんな気がした。
後半のチャイコフスキーは、雰囲気には重きを置かず、オケの良い鳴りをベースとした強い推進力で、一気に聴かせようというもの。「そうすりゃ曲自体が自分で語り出すだろう」という漢らしい姿勢も見て取れる。オケが地響きを立てて進撃するような第三楽章とフィナーレが印象的。でも正直、こういう演奏ならオケにあともう一ノリ欲しい。もっと羽目を外して良かったような……。
まあ客層に問題があったので、集中力が殺がれたこともあり、今日はあまり満足できなかった。残念。