不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

紀尾井シンフォニエッタ東京

  1. マスカーニ:《仮面》序曲
  2. ストラヴィンスキー:《プルチネルラ》組曲
  3. ペルゴレージスターバト・マーテル

 ソプラノ独唱:エレーナ・パンクラトーヴァ
 メゾソプラノ独唱:サラ・アレグレッタ
 指揮:パオロ・カリニャーニ

 今日はダブルヘッダーで本当に良かったと思う。この紀尾井シンフォニエッタの演奏会はとても楽しめた。まずはマスカーニだが、とてもリズミカルに、軽快に演奏しており、ふと顔を出す憂愁がまたいい、という感じ。カリニャーニの実力なのか紀尾井シンフォニエッタの実力なのかはわからんが、アシュケナージ指揮NHK交響楽団など問題にならぬハイレベルな演奏だと思う。
 続くストラヴィンスキーも同様の演奏。この曲をこよなく愛する人間としては、非常に嬉しかった。途中、オーボエがヘロヘロになる一幕があり、そこだけが残念。
 そしてペルゴレージ。パンクラトーヴァの歌唱はオペラ臭が強過ぎと思ったが、まあこういう元気の良い宗教曲も面白い。前半の二曲に続く、早いテンポによる爽快な演奏であったが、曲調からさすがに哀愁が吹き零れ、見事なものであったと思う。伴奏が雄弁であったのも特筆すべきで、この曲における伴奏の重要性に初めて気が付いた。
 というわけで、満足しながら帰途についたのだった。