迷宮の暗殺者/D・アンブローズ
- 作者: デイヴィッドアンブローズ,David Ambrose,鎌田三平
- 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
- 発売日: 2004/02
- メディア: 文庫
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凄腕の暗殺者。夫の死にまつわる疑惑を追う医師。これら二つの機軸が交わる第二部において、唐突に、意外というか無茶な事実が明かされる。この瞬間、『迷宮の暗殺者』はバカミスとして燦然と輝き始めるわけで、私は失笑してしまった。
とはいえ、無謀なことをしてはいるものの、作者は話をそのまま放り出していない。続く第三部でその意外な事実に基づくストーリーを更に描き込んで、世界観を確立してしまうのである。そこが素晴らしい。とはいえそこでせっかく確立した世界も、しばらくすると棚上げされる。ここはちょっと残念だ。
ラストで一瞬、かの異様な世界観がちらりと垣間見えるのは素晴らしいけれど。
というわけで、バカミス好きにはお薦めしたい。中盤で楽しんでください。