ワイオミングの惨劇/トレヴェニアン
- 作者: トレヴェニアン,Trevanian,雨沢泰
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/05
- メディア: 文庫
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百年ほど前、もの凄く寂れた町(住民わずか15名)を舞台に、脱獄囚と住民の緊張と闘いを描く作品。
例によって情感が独特である。挿話でしかないシーンに印象的なものが多く、本筋を食ってしまう。クライマックスも定石を踏まず、あっさり片が付くが楽勝というわけでもない。その後も特徴的で、事件とは何の関係もない出来事により町は捨てられる。また、登場人物の後半生にさらりと触れ、なかなか腰砕けなラストを見せてくれる。しかし人生ってこんなもんじゃないかな、と思わされ、不思議と嫌な気分にはならない。書き漏らしたが登場人物の造形自体もなかなか面白く、読んでいて飽きが来ない。
私は非常に満足した。