2004-04-19 透明怪人/江戸川乱歩 小説 江戸川乱歩全集 第16巻 透明怪人 (光文社文庫)作者: 江戸川乱歩出版社/メーカー: 光文社発売日: 2004/04/14メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (8件) を見る 少年探偵団ものは、毎度の事ながらトリック等が子供騙しであり、怪人をわざわざ持ち出す利点も非常に薄弱。だが、超常的な怪事の演出という話のテーマは絞られており、透明怪人を演出する二十面相の意欲はひしひしと伝わってくる。『妖怪博士』『虎の牙』では、二十面相の手口があれもこれもになって、何をどうやって演出したいのか、軸がぶれ気味であった。『青銅の魔人』にもまだその気が残っていた。しかし『透明怪人』では作者も腰を据え、騒動の一部始終を非常に活き活きと描いており、懐かしさもあってたいへん楽しめる。 というわけで、二十面相のコスチュームが懐かしい人には大いに推奨できる作品。