星の牢獄/谺健二
- 作者: 谺健二
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2004/01/01
- メディア: 単行本
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登場人物の思想、そしてそこから透けて見える作者自身の思想があまりにも甘ちゃんでしゃらくさい。対立する〈悪の狂気〉も極めてステレオタイプで底浅いため、本論が浅薄に見えてしまう。ガジェットの料理法もご同様で、独特であることは認めるが奥深くはない。一定以上の経験値を持つ読者に、この話はあまりにも予想しやすくないか?
本格として、素材は決して不味くない。とても残念である。まずは、もはや感傷の演出しかできない阪神大震災を振り捨ててはいかがか。前作はせっかくああいう形で閉めたんだし、震災から離れてもいい頃だと思う。
……なんか奥歯にものが挟まってるな。既読者のみが相手であれば、具体的に話せるのだけれど。