不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

マルドゥック・スクランブル/冲方丁

 日本SFの2003年最大の話題作を未読だったのは色々な意味で恥ずかしい。というわけで、これを(正確に言うとこの三冊を)年越し本として実家で読んできた。

 面白い。血湧き肉踊るという表現がこれほど似合うというのも珍しいだろう。そして、それ以上に付け加えるべきことは何もない。読者はただただこの物語に身を任せ、読書の暴虐に酔い痴れるべきだ。というわけで、広くお薦めできる作品である。