ナイロビの蜂/J・ル・カレ
- 作者: ジョン・ル・カレ,加賀山卓朗
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2003/12/16
- メディア: 文庫
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今回も同様。ゆえに『ナイロビの蜂』は傑作。
個人的感想は以上で終了だが、これだけではあんまりなので以下に蛇足を。
今回ル・カレは、メインテーマに医薬品メーカーの倫理・利権問題を据える。要するに諜報活動云々ではないのだ。従来、東西冷戦とその遺産を中心に作品を回してきたル・カレにとって、これは思い切った転換だろう。人間ドラマも、素晴らしいの一言。特に、亡き若妻の軌跡を追って陰謀に迫る夫の姿は、亡き妻との対話と融和のようで最高にやるせない。
ル・カレの数多い傑作の中でもかなり上の方にランクされる作品であることは間違いない。ファンは絶対に必読であろう。ル・カレを神と崇める私にとっては、無論年度ベスト候補です。