不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

大阪センチュリー交響楽団

 ブラームス交響曲第1番&第4番。
 指揮は金聖響清水和音と並び、恥ずかしい名前を持つクラ演奏家である。
 今流行のピリオド・スタイルを採用し、独墺の浪漫派音楽を再現するコンサート・シリーズ、その最後を飾る演奏会だった由。ブラームスまでピリオド・スタイルで演奏できるかは、現状でも種々の学説がある。まあ一つのトライアルとして楽しむ分には、誰にも問題のない演奏姿勢ではある。

 演奏内容は、ピリオドピリオド言うだけあって、ヴィヴラートを排した明朗闊達・溌剌としたもの。ただ楽器自体はモダンなので、音に重量感があり、これはこれでなかなか面白い。ここら辺は、九月に聴いたマーラー・チェンバー・オケに似ていた。当然ですけど。細部まで神経も行き届き、緩徐楽章もなかなか聴かせる。しかし、本当に個人的な好みで申し訳ないが、ブラームスにはもっと馥郁たる抒情を求めたい。
 まあ、聴く前から、こうなるだろうことはある程度予想はついていたので、このコンサートに行ってこんなこと言うのはDQN極まってるけどね。

 客席からの下品なブラボーは最悪。絶叫・咆哮しなくても、喝采は演奏者にしっかり届きます。彼らが感動して喝采しているんでないことは明白なのであった。