ＺＯＯ／乙一

ZOO

　北上次郎と大森望のご高評が付いた帯。やたら豪華な装丁。乙一を取り巻く環境が様変わりしたのではないかと思わせる見てくれである。なお、本人も実はその気になっているんじゃないかと思う。今回はあとがきがないのだ。

　しかし作品の内容はいつもと変わらぬ乙一。どこかとぼけていて、それでいて哀切。当然か。1998年〜2003年の間に書かれた作品まとめてるだけだもんなあ。ミステリに無駄にこだわった作品が少なめなのもいい感じ。まあ意外なオチとかはほぼ全てに見られますがね。個人的には、「SEVEN ROOMS」「落ちる飛行機の中で」がお気に。

〈本格ミステリ大賞〉の名に恥じる活動を、これからはむしろ望みたい。