FINE DAYS/本多孝好
- 作者: 本多孝好
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2003/03/01
- メディア: 単行本
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「FINE DAYS」
そうは言ってもやはり、こういうノスタルジックな小説は嫌いじゃない。それこそショパン同様に。高校時代の少しだけホラーな青春模様。深くえぐろうと思えばいくらでもできる話だが、巧妙に避けて通っている。
「イエスタデイズ」
ノスタルジックかつちょっとタイムスリップな物語。父親がまさに死のうとしている、という切迫した状況があまり前面に出て来ない。ただしあまり強調されてもこの雰囲気は出ないので、痛し痒しだ。
「眠りのための暖かな場所」
院生と学生の交流がコメディタッチで描かれる……のだが。何気にかなり怖いが、変に前向きでもあるという奇妙なラストを迎える。四編中では一番好きかな。
「シェード」
O・ヘンリーを更に洗練させたような物語。ヘンリーのような深い味わいがない代わり、透明な情緒は手に入れている。綺麗過ぎてうそ臭い、などと言われても反論しにくいが。でも嫌いじゃないです。