不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

九十九十九/舞城王太郎

九十九十九 (講談社ノベルス)

九十九十九 (講談社ノベルス)

 傑作であった。なんということだ。
 徹底的に舞城でありながら、紛れもなく流水の「あの」感じを味わえる、実に興味深い作品。ただし長過ぎるのは欠点だと思う。私も途中何度か、放棄願望が首をもたげたことを告白しておこう。

 蛇足だが、演奏を聴き比べて四の五の言うクラヲタとしては、こういうトリビュートが直系の作家だけなのは不満。せっかくなんだから、ダメモトで色々依頼出してほしいものです。明らかにミスマッチな方々にも物怖じせず振りましょう。この二ヶ月ほどの試みは、私に言わせれば、「マーラー交響曲ワルタークレンペラーで聴いた」だけでしかない。

ワルタークレンペラーは、タイプは全然違うけれど、マーラーの弟子でした。