迷路荘の惨劇/横溝正史
- 作者: 横溝正史
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1976/06/07
- メディア: 文庫
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私にとって、横溝初めての明らかなハズレだった。なぜ乗れなかったか解析し切れていないのだが、一つには、「一人一人呼び出して証言させる」という場面がけっこう長く、これがかなり退屈だったことが挙げられる。ま、この手の《証言シーン》に熱中した記憶は、『ブラックダリア』以外ではないんだけど、この手続きで緊張感途切れさせているので、印象は悪い。それに全体的にちょっと「薄い」気がするんだよな。せっかく屋敷を用意しておきながら、それがホテルへの変身途上という設定も気に食わない。一例だが、ボーイと召使、仲居と婆やでは、各々後者の方が雰囲気出るような。
ミステリ的には、いつも通り可もなく不可もなし。ていうか最近、ネタに敏感に反応する感性を失いつつあります。正直、ちょっと寂しいけれど。