不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

悪魔が来たりて笛を吹く/横溝正史

横溝シリーズ第四弾。一時帰宅して書いてます。

「フルートは一番地味な楽器」という一文にのけぞってしまった。また、須磨という地名が出て来て、をを、と思うものの、さすがにびっくりはしない。何せ酒鬼薔薇という、《実弾》がもっと近くだったからな。

それはさて置き。
この作品で、私は始めて、岡山以外で活躍する金田一(の長編)に接した。とは言え、現代的なテーマではなく、あくまで終戦直後の斜陽族を題材とする。そのため、印象が大幅に変わることはなかった。ミステリ的にはちょっと都合よすぎな気もするが、よく出来ている。小説的には特に言及すべき特徴はないが、普通に探偵小説やってくれてて、悪くない。

大傑作とも思えず、時間もないので、今日はこれまで。