不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

髑髏島の惨劇/マイケル・スレイド

髑髏島の惨劇 (文春文庫)

髑髏島の惨劇 (文春文庫)

 こういうサイコなのには元来抵抗感じるんだが、楽しめたのは事実である。他の作品も読みたいか、と言われるとちと微妙だが。俺はやっぱり、すっきりさっぱり系が好みっす。あと、オカルト趣味炸裂のペダントリー、いっぱいあるのはいいんだが、全部参考文献そのままっぽいのはどうにかならんのか。作者自身の言葉で語って欲しい。合作じゃちょっと難しいだろうが。
 とは言え、孤島で繰り広げられる残酷な殺人劇はなかなかに読ませる。ネタもかなり剛毅で笑った。伏線、そう来たか。
 ……でもこれ、後半部本当に本格っぽいんでしょうか?血みどろ系ホラーの文脈で、孤島ものやカーを読み解けばこうなるんだろうけど、それってもう本格じゃないと思うんだよね。仲間を無理矢理増やすのは、もうやめような。なぁ、解説者。