銀河北極/アレステア・レナルズ
銀河北極 (ハヤカワ文庫 SF レ 4-4 レヴェレーション・スペース 2)
- 作者: アレステア・レナルズ,中原尚哉
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/12/14
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (43件) を見る
というわけでおすすめの一冊だが……作品の密度がどれもこれも少し薄い気がしてならない。『火星の長城』と比べてアイデア勝負に出ていない分、登場人物が薄っぺらいことが目立ってしまっている。また、たとえばジョージ・R・R・マーティンの《タフの方舟》シリーズ辺りであれば、「グラーフェンワルダーの奇獣園」「ナイチンゲール」はもっと手短に、より鮮烈に書かれたようにも思われ、正直不満が残った。「ターコイズの日々」も人によってはもっと完成度が上げられたはずだし、「時間膨張睡眠」「銀河北極」にも同じ弱点が付きまとう。基本的には面白い要素が多々詰まっているのだが……小説とは、そして読書とは、真に微妙なものなんですなあ。