殺人作家同盟/ピーター・ラヴゼイ
- 作者: ピーターラヴゼイ,Peter Lovesey,山本やよい
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/02
- メディア: 単行本
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まず、作家志望者たちの生態と、その創作物の質に伴わないプライドが、ユーモラスかつ皮肉に描かれ、笑い(人によっては苦笑)すら誘う。登人物がしっかり描き分けられているのも好印象。倶楽部のメンバー11人はおろか、後半登場する警察の捜査チームすら、個々のキャラクターがくっきり立ち上がっていて素晴らしい。構成もよく整理されており、読みやすく、かつ読者の興味を途切れさせない。伏線回収も見所の一つで、過度の期待を寄せなければ、ミステリ的な仕掛けの部分でも十分に満足できよう。仕掛けに弱点がないわけではないが、ここまで纏められたら満足すべきだ。あと、ダイヤモンド警視が一瞬だけ顔を出すのも嬉しい。お元気そうで何よりです。
というわけで、ラヴゼイ・ファンはもちろん、他の層にも広くすすめたい逸品である。