2006-12-11 ソフトタッチ・オペレーション/西澤保彦 小説 ソフトタッチ・オペレーション (講談社ノベルス)作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/11/08メディア: 新書 クリック: 2回この商品を含むブログ (64件) を見る チョーモンイン・シリーズ最新刊。超能力がある世界設定を存分に使いつつ、しっかり本格ミステリしてくれる辺り、西澤保彦の真骨頂が表れている。ときに極端とすら思われる性悪説*1、男性蔑視に女性偏重と、読んでいて人として違和感を覚える部分も健在であり、ファンであれば安心して読める作品集と言えるだろう。大河小説=シリーズとしては何一つ進展ありませんが、個人的には、なくても特に問題視しません。水準を行く本格成分をコンスタントに摂れる食物として、西澤保彦の諸作は貴重なわけである。 そんな中、表題作は珍しく後味が良く(ちょっと唐突だが)、興味深い。 *1:というか、人間は悪意の塊であるとの信念。にもかかわらず、作中で具体的に描かれる主要登場人物は、いい奴ばかりなのだが……。ここら辺は、西澤保彦の意外な甘さとして認識すべきかもしれない。