血染めのエッグ・コージイ事件/ジェームズ・アンダースン
- 作者: ジェームズアンダースン,James Anderson,宇野利泰
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2006/09
- メディア: 文庫
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コージー・ミステリとしての暖色系ユーモアを基調としつつ、ナチス・ドイツがヨーロッパを席巻する世界情勢、国際的怪盗の暗躍など、スケールの大きな背景を擁した本格ミステリ。各登場人物が綺麗に描き分けられ、いずれも活き活きしているのは素晴らしい。また、各種要素をフル活用して、実はバカミスの世界へ我々を拉致する作品でもある。100ページを超える解明シーンは必見だ。何も考えずに楽しく読むべき傑作であると言えるだろう。
小山正による解説もまた、作者や作品の背景がわかり非常に良い。ただし、トレヴェニアン『夢果つる街』やスコット・トゥロー『推定無罪』を不当に貶めているように思われ、ちょっと残念である。