チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
- ヨーヨー・マ(チェロ)
- デイビッド・ジンマン(指揮)
木質の非常にいい音を出すオーケストラで、大変感心しました。ベートーヴェンは、軽やかに心地よく弾む。後ろの方の奏者まで身振りが大きく(それに編成がけっこうでかい)、舞台上の見た目もリズミカル、迫力もある。表現が一本調子だったような気がしないでもないが、オーケストラの奏楽が本当に見事なので、それだけで満足。ナチュラルホルンも素晴らしい。なおこのコンビということで期待される装飾音型は、ほぼCDどおり付与されていた。フィナーレ冒頭でいきなり弦楽四重奏になる部分は、実演だと効果絶大ですね。素敵なお遊び、楽しませていただきました。
後半……やっぱりこの曲あんまり好きじゃないからなあ。ヨーヨー・マはそれなりに聴かせましたが、繰り返すけれども曲が好みじゃないんで……。正直、管弦楽曲なのか協奏曲なのかハッキリしないのが問題だと思う。管弦楽だと割り切って、ソリスト連れて来るんじゃなく、オケの首席奏者に弾かせた方が、聴き手としても聴く上でポイントつかめて良いのではないか。……まあ今回のツアーの趣旨*1からすると、それじゃダメなわけですが。すっきりしていたのは良かったと思います。