GOSICKⅡ/桜庭一樹
GOSICK〈2〉ゴシック・その罪は名もなき (富士見ミステリー文庫)
- 作者: 桜庭一樹,武田日向
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2004/05
- メディア: 文庫
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前作において、事件の構成要素は種々雑多のぶっ込みであり、それを意識させず綺麗にまとめる桜庭一樹の手捌きが光っていた。一方今回、事件は比較的簡素なものとなっている。配置も過去/現在というように区分が明快だ。代わりに作者の腕の見せ所となるのは、一弥とヴィクトリカに代表される、シリーズ登場人物の交流、そして伏線とフラグの撒き散らしである。かなりはっきりと、読者の続編期待感を煽ってくる。前作はここまであからさまではなかった。恐らく良いセールスをマークし、これなら行けると作者・出版社が判断したのではないか。第二次世界大戦と思われる暗雲を彼方に見据えつつ*1、このシリーズは何処に向かうのだろう。興味を掻き立てられた時点で、私の負けであるが。