QED ~ventus~ 熊野の残照/高田崇史
- 作者: 高田崇史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/08/05
- メディア: 新書
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また、視点人物が非レギュラー(今回初登場……だと思う)であることも、すっきりとした味わいに貢献する。正直、レギュラーの棚旗奈々はあまりに純粋過ぎ、一々驚いたり(お前は一体何年タタルその他と付き合っているのか)、ガキのような正義感で歴史を見たり(お前は一体何回タタルに権力者のひでえ振る舞いを教えられたのか)して、時々うざい。一方、今回の視点人物は基本的に冷静を保ち、ものの見方が皮肉や邪気に満ちているため、個人的にはたいへん心地良いのである。
いずれにせよ、結構気に入った。もちろん最高傑作『式の密室』には及ぶべくもないが、ここ三年内の作品であれば一番スマートではないだろうか。ファンにはお薦めです。