東京都交響楽団
- コープランド:バレエ組曲《ビリー・ザ・キッド》
- コープランド:クラリネット協奏曲
- ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調Op.95《新世界より》
- (アンコール)コープランド:バレエ組曲《ロデオ》より《ホー・ダウン》
- 佐藤路代(クラリネット)
- ジェイムズ・デプリースト(指揮)
都響の新常任指揮者に就任したデプリーストを聴きに行く。
《ビリー・ザ・キッド》は個人的にはつまらない曲だと思っているのでノーコメント。ただオケはしっかり鳴っていて一安心。協奏曲は、ソロの独壇場。カデンツァで若干音がかすれたのは残念だったが、珍しい曲をなかなかのレベルで聴けたので喜。
さて、後半のドヴォルザークだが、感心半分不満半分といったところ。激しいところは激しく(そして快速に)、メロディーの聴かせどころはテンポを落とし、という感じの演奏だったが、そのギアの切り替えが急激、要するにアッチェレランドとかリタルダンドとかがない。そして、このテンポの変化以外、音楽作りは基本的に一本調子であった。せっかく遅くしても、メロディーに耽溺しよう/させようというわけではなく、早い部分も音楽を突進させるわけではない。本当に、単純にテンポが変化するだけなのだった。なにやら非常にデジタルな印象を受けたわけである。
とはいえ、前半に引き続き、オーケストラはよく鳴っていた。パートバランスや音量の増減もよくコントロールされており、また曲の構造自体はじゅうぶん把握した演奏と思われ、クライマックスではなかなかに盛り上がった。まあいいんじゃないでしょうか。問題は次にこのコンビ聴いたとき、何らかの進展を窺えるかどうかですな。