不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

木曜の男/G.K.チェスタトン

木曜の男 (創元推理文庫 101-6)

木曜の男 (創元推理文庫 101-6)

 ……未読でした……。
 ネタ自体は容易に予想がつくわけだが、そこに至るドラマがとても面白く、そして興味深い。全体に諧謔に溢れ、思弁的な筆が読者を乗せてくれる。文章は読みにくいと言っても構わないが、そのためにまた妙なる《奥深さ》を感じさせる。幕切れも無闇に綺麗でいい感じ。今更私がお薦めしたところで全員読んでいるだろうから、一人で喜んでおく。