アンサンブル・ノマド
ずらずら並べたが、本日の演奏会は「メンバーによるミニ・アチュール」と題し、前半には2〜3楽器による現代音楽の小品を並べています。ロッシーニは例外だが、とても変則的な編成なので取り上げられたのだと思われる。第一楽章を弾かないプログラミングは、思わせぶりでいい感じだ。で、後半は全員出て来た上に和楽器(ゲスト)も交ぜ、テリー・ライリーの代表作一曲で勝負。ミニマル・ミュージックの代表作でもあるので、30分くらいかかる大曲だが「ミニ・アチュール」というテーマに沿っている。
前半はロッシーニを除くと、初めて聴く曲。未知の曲に会うのは、いくつになっても独特な緊張が感じられて楽しい。
《ナタラジャ》は曲名通り激しい曲で、リズムが破綻しているのもまさに破壊神。フルートとピッコロの忙しい持ち替えも楽しい。《トッカータ・イン・サンバリズム》は普通にメロディーがあって眠くなりました(申し訳ない)。《アリア・フォー・アス》は本日の演目中一番好きかもな曲。ヴァイオリン属の衝突、弛緩と緊張、静寂と騒音がめまぐるしく、耳を釘付けにする。ヴィオラ奏者がヴォカリーズで歌い出すのも楽しかった。《甘い夢》は、フルートよりも、ピアノの弦を直接触って音を出すのが面白かったが、肝心のホケットを聴き取れず。すいません。《3つの小品》は暴れるヴァイオリンが印象的。これも好きかも。《パラクタシス》はクラリネットとコントラバスの対決という趣。《ジョビニアーナ第2》はこれまたメロディーのある曲だが、フルートとギターという編成が独特。《二重奏曲》はヴァイオリンとチェロによる非常に濃厚な音楽で、これもまた気に入った。
……なんかこうやって見ると、俺が弦楽器好きなだけなんじゃないかという気がしてきたぞ。
で、後半の《In C》。先述のように、尺八・三味線・絃筝および和太鼓まで持ち出しての和風ヴァージョン。しかし違和感ゼロ。分厚いハーモニーに溶け込んでいたというか、呑まれていたというか……。なお、和楽器奏者は全員まだ若く、ひょっとすると学生かもしれない。尺八の異様な風体*2が凄かった。有名度がよくわからん。ちなみに私、この曲はそんなに好きでもないので、特に感激したとかはないです。