不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

東京フィルハーモニー交響楽団

1.マーラー交響曲第3番
 メゾソプラノ独唱:寺谷千枝子
 女声合唱:東京レディコーラス(東京オペラシンガーズ女声部門)
 児童合唱:東京少年少女合唱隊
 指揮:チョン・ミュンフン

 金管の出がどうにも揃わない演奏会(音自体はそれほど外さなかったように思う)で、それでも前半はそれなりに聴かせたのだが、疲れたのか後半になると一気に症状は進行、特に第四楽章は、寺谷の低音が苦しそうな歌唱と共に、何とも締まらない感じで残念。
 しかしそれ以外はなかなか良い演奏であった。何より、オケ全体がふわりと鳴っていたのが印象的で、非常に優しい気分で聴けたのである。もちろん要所要所はテンション高く決めたし(編成でかいので決まれば迫力がある)、チョンの指揮はさすがに推進力が高い。しかし全体的にはメルヘンな雰囲気に溢れていたように思う。第二楽章・第三楽章・そしてフィナーレは大満足。第一楽章も、まあこういった柔らかい表現も面白いなと楽しみました。第五楽章は東京オペラシンガーズと児童合唱が大変素晴らしかった。本日の殊勲は彼らに捧げられるべきだろう。
 咳払いをする馬鹿(一定の咳なら仕方ないとは思うが、咳払いはいかん)がいる、ビニール入りの飴の授受が行われる、指揮者が棒を下ろし切っていないのに拍手を始める(まあ残響も消えてたんで仕方ないかも知れんが)等、客層は若干問題があったけれど、まあキレる程ではなく、こんなものかと思った次第。2日と3日の方が会場は騒々しかった。関西はやはり駄目だと思いました。