真夜中の神話/真保裕一
- 作者: 真保裕一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/09/14
- メディア: 単行本
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最近の真保裕一は、倫理/正しいことを賢しげに主張し、かつその倫理が《勝ってしまう》ことが多く、正直辟易していた。しかしこの作品は(その傾向がないわけではないが)それほど気にせず読めた。SFミステリだからかな。或いは、機械文明とは切れた世界で生活する村人たちが、重要な役割を果たすからであろうか。
個人的な好みをいえば、村人たちが善人ばかりなのは残念である。誰か内通した方が面白かったと思うし、悪を繰り出すなら繰り出すで、もっと掘り下げるべきだ。特にそいつが信念をもっている場合。
まあ一応楽しめたので良しとするか。