白い部屋で月の歌を/朱川湊人
- 作者: 朱川湊人
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/11/01
- メディア: 文庫
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「白い部屋で月の歌を」は、特徴的な語り口で〈意外なオチ〉へ向かう物語。この語り口がなかなか良い。純粋無垢な視線で、世界が耽美的に語られるギャップ。さらに言えば、この語り口がダメな人には絶対ダメだろう。でもだからと言って、選評であっさりネタバレするのはいかがなものか。
個人的には、併録の「鉄柱」の方が好み。〈普通〉とは何か、〈異常〉とは何かというありふれたテーマを、それなりに読ませる佳品。文章も地に足が付いており、作者の本性はこっちにあるんじゃないかとも思う。霊など超常現象も出て来ないし、やっぱ私はこっちの方がいいなあ。