不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

ダークライン/J・R・ランズデール

ダークライン (Hayakawa novels)

ダークライン (Hayakawa novels)

 池上冬樹は必死だが、まあ最高傑作ではないと思いたいランズデールの新作。とは言え駄作ではない。ていうか面白い。黒人や家父長についての考えなど、USA南部の良識が垣間見え、非常に興味深い一作である。パクスアメリカーナが揺らぐ今、『ローマ人の物語』を読むような感覚で楽しんでいる自分を発見し、少し驚いているが……。