不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

嘲笑う闇夜 プロンジーニ&マルツバーグ

嘲笑う闇夜 (文春文庫)

嘲笑う闇夜 (文春文庫)

アメリカの田舎町で起きる連続猟奇殺人事件。登場人物は、よくもここまでというくらい、気違いばっか。全編凄まじいまでの偏執の嵐であり、その狂気の言動は読む者の度肝を抜かずにはおれない。その様は、折原一とかリチャード・ニーリイさえ軽く超える。まあ、読んでみ。バカミスであることは保証するから。ちなみに、俺自身はたいへん楽しめた。結末云々、仕掛け云々よりも、この作品は渦巻く狂気が作品の中心であって、理性的に読むものでは絶対にない。