探偵学入門/マイクル・Z・リューイン
- 作者: マイクル・Z・リューイン,田口俊樹
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/07/08
- メディア: 新書
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リューインは、会話文・地の文問わず、細部の台詞回しが非常に印象的な作家である。そしてそこから、語り手のキャラクターが垣間見え、ときには確立される。この手法は長編でも活用されるが、もちろん短編でも有効に機能するわけで、リューインが短編の名手であってもおかしくはないのだと思う。短編向きである比較的シンプルなプロットを思い付くことさえできれば。
『探偵学入門』は、リューインがそれができることを証明する。簡明だが鮮やかな筋立てと、要所で光る表現の妙。私はとても楽しんだ。なお、《探偵家族》シリーズの短編が6編収録されているが、予想通り、長編に対して私がやらかした言い掛かりは短編に対しては言えないし言う気もなくなる。このシリーズ、今後は短編だけで行きませんか。そして、ノンシリーズの作品の数々はそれにも増して本当にいい。シリーズ・キャラクターの縛りがないことが、いい意味で効果を及ぼしている。要するに色々やれるのである。
というわけで、『のら犬ローヴァー町を行く』に既に入っていた「恩人の手」がここにも重複して入っていることは少々残念ではあるが、総体的には素晴らしい短編集と言えるだろう。ファンは読むべきだ。
宣誓
容疑者X論争や翻訳ミステリなど、ここしばらく、ミステリ界における様々な問題が燻り出されきた。本日記では従来、これらについては大っぴらには言及してこなかった。このこと自体は将来にわたっても変わらないだろう。しかし私は、ここに以下を宣誓する。
上記宣誓は、対象者の死によって、当該死した対象者に関してのみ解除される(ただし、仁賀克雄とつずみ綾の翻訳物件については、死によっても解除されない)他、いかなる状況下においても私を生涯拘束する。また、私の死後も、相続人が本宣誓に則って私の財産を適正に消費するよう、私は遺言等で可能な限り手当て等に努めねばならない。
以上である。
撤回しました(06/10/07)。