マザーズ・タワー/吉田親司
- 作者: 吉田親司
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/07
- メディア: 単行本
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厨房設定の強者たちが、厨房設定の協力を得て、厨房設定の問題解決に向けて、厨房設定の戦いを挑む物語である。凄い人や事物・事象を出すのはいいのだが、その凄さが全て「描かれる」ではなく「説明される」なので、辛うじて邪気眼でこそない(さすがに軌道エレベーターも出て来るような作品に邪気眼はない)ものの、中二病っぽい印象はいや増すことになる。しかもキャラクターが例外なく味気無い。唐突かつ散発的に出て来る大袈裟な単語選択でカッコよさを出そうとしているが、個人的には寒いと感じた。SF的な考証も、科学・社会両面で粗雑かつ単細胞である。架空戦記好きであれば楽しめたかも知れないが、残念ながら私は無理であった。