不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

フェルメール・クァルテット

  1. シューベルト弦楽四重奏曲第8番変ロ長調D.112
  2. ヤナーチェク弦楽四重奏曲第2番《内緒の手紙》
  3. ベートーヴェン弦楽四重奏曲第7番ヘ長調Op.59-1《ラズモフスキー第1番》
  4. (アンコール)ドヴォルザーク弦楽四重奏曲第12番ヘ長調Op.96《アメリカ》よりフィナーレ
  5. (アンコール)ハイドン弦楽四重奏曲第78番変ロ長調Hob.Ⅲ-78《日の出》より第3楽章
  • シュミュエル・アシュケナージ(1st.ヴァイオリン)
  • マティアス・タッケ(2nd.ヴァイオリン)
  • リチャード・ヤング(ヴィオラ
  • マーク・ジョンソン(チェロ)

 最初のシューベルトから、この団体の、4名が見事に揃い、かつ溶け合った、端正な音色を満喫できた演奏会であった。ヤナーチェクベートーヴェンなんかもう実に素晴らしいです。特に変なことをやるわけでもなく、時代の違いによる様式感を強く打ち出すわけでもなく、シンプルに、ありのままの楽曲を見せてくれた印象。《ラズモフスキー第1番》の第3楽章は大好きなわけだが、切なくも高貴な佇まいを見せてくれたので感謝したい。でもフェルメール・クァルテットをもってしても、このフィナーレはだれる……。