フェルメール・クァルテット
最初のシューベルトから、この団体の、4名が見事に揃い、かつ溶け合った、端正な音色を満喫できた演奏会であった。ヤナーチェクとベートーヴェンなんかもう実に素晴らしいです。特に変なことをやるわけでもなく、時代の違いによる様式感を強く打ち出すわけでもなく、シンプルに、ありのままの楽曲を見せてくれた印象。《ラズモフスキー第1番》の第3楽章は大好きなわけだが、切なくも高貴な佇まいを見せてくれたので感謝したい。でもフェルメール・クァルテットをもってしても、このフィナーレはだれる……。