不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

さよならの次にくる〈卒業式編〉/似鳥鶏

(創元推理文庫)" title="さよならの次にくる (創元推理文庫)">さよならの次にくる (創元推理文庫)作者: 似鳥鶏,toi8出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/06/20メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 33回この商品を含むブログ (69件) を見る 「東雅彦は嘘…

何か文句があるかしら/マーガレット・デュマス

何か文句があるかしら (創元推理文庫)作者: マーガレット・デュマス,島村浩子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/06/25メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (6件) を見る 演劇に打ち込んでいる大金持ちのチャーリー*1は、ロンドンで出会…

這いよれ!ニャル子さん/逢空万太

這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)作者: 逢空万太,狐印出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2009/04/15メディア: 文庫購入: 21人 クリック: 490回この商品を含むブログ (218件) を見る 遂にクトゥルー神話体系にも萌え化の波がやって来た。恐ろしいこと…

不可能犯罪コレクション/二階堂黎人(編)

不可能犯罪コレクション (ミステリー・リーグ)作者: 石持浅海,加賀美雅之,大山誠一郎,鏑木蓮,岸田るり子,門前典之,二階堂黎人出版社/メーカー: 原書房発売日: 2009/06メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る 気鋭の推理…

見知らぬ者たちの船/ボブ・ショウ

一応長篇だが、実質的には短篇5篇から成る連作短篇集で、宇宙調査船サラファンド号の活躍を描く。内容からするとA・E・ヴァン・ヴォクトの『宇宙船ビーグル号』を本歌取りしたのは明らかだ。とはいえパロディではなくオマージュ寄りと考えるべきで、オリジ…

眩暈/ボブ・ショウ

個人持ちの飛翔機械(反重力装置)が普及し、大西洋も一人でひとっ飛びが当たり前という時代になった。イギリス人刑事のロバート・ハサンは、任務遂行中に事故を起こし、そのトラウマから飛翔機械が使えなくなってしまう。彼は療養を兼ねてカナダに向かい、…

おれは誰だ?/ボブ・ショウ

小説の主人公に「おれは誰だ?」と訊かれても困ってしまうわけだが、本書の主人公ウォレン・ピースは実際自分が誰だかわからない。話はいきなり彼の軍隊加入時点から始まる。この時代、従軍希望者は、戦闘行為に不要な記憶を一時的に消してから入隊すること…

去りにし日々、今ひとたびの幻/ボブ・ショウ

科学者のアルバン・ギャロットは、新型飛行機の開発に取り組むうちに、新型ガラスを開発してしまう。それは、光が通過するのに何年もかかる、スロー・ガラス。製法によって光が表面に出て来る時間を調整できるため、風景をガラスの中に閉じ込め、数年後から…

メデューサの子ら/ボブ・ショウ

マイラは、全部で200名ほどしかいないクラン一族の一員である。彼らは大小の気泡で呼吸しつつ水の中で暮らしており、彼らは神「カ」(片仮名のカである)を信奉し、深淵部に潜む巨大な生物ホラの襲撃に注意しながら、魚介類を獲って生活していた。しかし彼ら…