不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

読売日本交響楽団

ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調Op.68《田園》 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調Op.27 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮) 曲の構造を明らかにしてゆく芸風は、今日も健在。とはいえ所々、聴き慣れないアクセントを付与し、聴き手の耳をそ…

ヴォーカル・アンサンブル・カペラ

グレゴリオ聖歌数曲 オブレヒト:ミサ曲《スブ・トゥウム・プレジディウム》 オブレヒト:サルヴェ・レジナ (アンコール)わからん……。 鈴木美登里、花井尚美、本保尚子、稲田知子、今江奈緒子、金子千晶(スペリウス) 青木洋也、及川豊、根岸一郎、望月寛…

ベルカ、吠えないのか?/古川日出男

ベルカ、吠えないのか?作者: 古川日出男出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/04/22メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 190回この商品を含むブログ (382件) を見る 半世紀にわたる、犬の物語。当然どんどん代替わりしてゆくわけだが、彼らの血統としての…

三百年の謎匣/芦辺拓

三百年の謎匣 (ハヤカワ・ミステリワールド)作者: 芦辺拓出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2005/04/21メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (21件) を見る 『紅楼夢の殺人』は、事実上の短編(小ネタ揃い)をずらずら並べ、最後に《世界観》…

傀儡后/牧野修

傀儡后 (ハヤカワJA)作者: 牧野修出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2005/03/24メディア: 文庫 クリック: 12回この商品を含むブログ (46件) を見る Jコレクション時の装丁があれで、文庫はこんなのである。全然違う話のように見えるが、よく考えるといずれ…

海底の魔術師/江戸川乱歩

江戸川乱歩全集 第17巻 化人幻戯 (光文社文庫)作者: 江戸川乱歩出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/04/12メディア: 文庫この商品を含むブログ (14件) を見る 海から出て来た怪物が海で悪さをするなら、わざわざ陸地上がらなくていいじゃん。……あそうか、地…

ペペ・ロメロ

ミラン:ファンタジア第16番 サンス:スペイン組曲(ペペ・ロメロ編) タルレガ:アラビア風奇想曲 タルレガ:アルハンブラの思い出 トローバ:カルティーリャ組曲 アルベニス:アストゥリアス アルベニス:グラナダ アルベニス:セビーリャ ヴィラ=ロボス…

フェルメール・クァルテット

シューベルト:弦楽四重奏曲第8番変ロ長調D.112 ヤナーチェク;弦楽四重奏曲第2番《内緒の手紙》 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番ヘ長調Op.59-1《ラズモフスキー第1番》 (アンコール)ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番ヘ長調Op.96《アメリカ》よりフ…

化人幻戯/江戸川乱歩

江戸川乱歩全集 第17巻 化人幻戯 (光文社文庫)作者: 江戸川乱歩出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/04/12メディア: 文庫この商品を含むブログ (14件) を見る やはり良い作品である。覆う頽廃。煌く妖美。薫る官能。踊る口上。その他、乱歩の特徴が全て、十…

砂楼に登りし者たち/獅子宮敏彦

砂楼に登りし者たち (ミステリ・フロンティア)作者: 獅子宮敏彦出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2005/04/09メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (24件) を見る 戦国の世を描く連作短編集。全四篇あり、いずれの短編にも《消失》ネタが登…

兇器/江戸川乱歩

江戸川乱歩全集 第17巻 化人幻戯 (光文社文庫)作者: 江戸川乱歩出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/04/12メディア: 文庫この商品を含むブログ (14件) を見る すっきりと仕上がった本格推理。とはいえ新味はなく、トリックも流用である。また、明智が犯人に…

鉄塔の怪人/江戸川乱歩

江戸川乱歩全集 第17巻 化人幻戯 (光文社文庫)作者: 江戸川乱歩出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/04/12メディア: 文庫この商品を含むブログ (14件) を見る カブトムシに化ける怪人二十面相。この頃になると、もう彼には、世間を騒がせる以外の目的がない…

ベルリン・ドイツ交響楽団

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64 (アンコール)曲名わかりません……。 ブルックナー:交響曲第6番イ長調 庄司沙矢香(ヴァイオリン独奏) ケント・ナガノ(指揮) メンデルスゾーンは遅めのテンポでしっかり弾いていた印象。悪くはないんだ…

読売日本交響楽団

ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調Op.21 ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮) スクロヴァチェフスキはまずまず元気そうで何より。快調そのものというわけではないだろうが、去年のちょうど今頃見たときと比べ、動…

百番目の男/ジャック・カーリイ

百番目の男 (文春文庫)作者: ジャックカーリイ,Jack Kerley,三角和代出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/04/01メディア: 文庫 クリック: 23回この商品を含むブログ (61件) を見る 気のいい警官だが暗い秘密を抱えるカーソンを主人公に、彼とコンビを組む…

考える人 2005年春号

特集が《クラシック音楽と本さえあれば》だったので、私にしては珍しく雑誌を購入。結局のところ、《本》側の人間は単なる音楽好きでしかなく、《音楽》側の人間は単なる本好きでしかない。よって得るところなし。予想通りですがね。 個別には、安岡章太郎の…

ギブソン/藤岡真

ギブソン (ミステリ・フロンティア)作者: 藤岡真出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2005/04/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (36件) を見る 小説としては異様にスカスカである。登場人物は無味無臭、物語は進めど進めど何…

孤虫症/真梨幸子

孤虫症作者: 真梨幸子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/04/01メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (48件) を見る メフィスト章受賞作。いやあ、気色悪い話を書きますねえ。ただし文章はそれなりに読みやすく、ボトムラインを割り込むこ…

最後の願い/光原百合

最後の願い作者: 光原百合出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/02/23メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (67件) を見る 劇団の人材探しから旗揚げまでを、大変綺麗に纏め上げた連作短編集。各編が日常ミステリとなっており、そちらの出来…

天狗/大坪砂男

天狗 (探偵クラブ)作者: 大坪砂男出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 1993/04/01メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (8件) を見る 表題作は神。ネタ・文章・構造その他、小説の全ての構成要素が主人公の狂気溢れる精神を120%描出する。こ…

パリ管弦楽団

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲 ショーソン:交響曲変ロ長調Op.20 ドビュッシー:海 ラヴェル:ボレロ (アンコール)ビゼー:《アルルの女》よりアダージェット (アンコール)ビゼー:《カルメン》よりアラゴネーズ (アンコール)ビゼー:《カルメン…

うたう警官/佐々木譲

うたう警官作者: 佐々木譲出版社/メーカー: 角川春樹事務所発売日: 2004/12メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (44件) を見る 一部で評判が良いので読んでみたが……。プロットも人間ドラマもなんかグダグダじゃないですか。リアルを感じるに…

ゴーレムの檻/柄刀一

ゴーレムの檻 (カッパノベルス)作者: 柄刀一出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/03/25メディア: 新書 クリック: 7回この商品を含むブログ (69件) を見る 柄刀一の最高傑作『アリア系銀河鉄道』の続編。事前に若干評判を聞いていたとはいえ、何も期待するな…

ムーティ、スカラ座音楽監督辞任

数年前からおかしな雰囲気はあったが、遂に問題がこじれ倒し、ムーティはミラノ・スカラ座の音楽監督を辞任する模様。まだ63歳なので、次のポストがあり得るはずだ。名声的には現在世界最高クラスの指揮者であるため、釣り合いが取れて席が空いているとなる…

最後の審判の巨匠/レオ・ペルッツ

最後の審判の巨匠 (晶文社ミステリ)作者: レオペルッツ,Leo Perutz,垂野創一郎出版社/メーカー: 晶文社発売日: 2005/03/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 38回この商品を含むブログ (34件) を見る ミステリの手法を種々採用しながらも、作者自身は決し…

紀尾井シンフォニエッタ東京

ハルトマン:クラリネット、弦楽四重奏、弦楽オーケストラのための室内協奏曲 (アンコール)ウェーバー:クラリネット五重奏曲変ロ長調Op.34より第4楽章 モーツァルト:《エジプト王タモス》K.345(365a)より幕間の音楽 モーツァルト:交響曲第35番ニ長調K.3…

反対進化/エドモンド・ハミルトン

反対進化 (創元SF文庫)作者: エドモンド・ハミルトン,中村融,市田泉出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2005/03/24メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (42件) を見る 奇想SFを中心としつつ、古風なスペースオペラも混入している…